
新しく建てた夢のマイホーム。期待に膨らむ新生活。しかし住んでいるうちに「なんか家の中が暑いな」
「クーラーの電気代が高い」「足下が寒い」そういう季節ごとのイライラが何年も続いたら嫌じゃないですか?
「家」が原因で家族の中に不協和音が響く姿は見たくありませんよね。そうならないために「住宅の基本性能をしっかり見極めること」ということが重要です。
本記事ではその見極め方を「断熱」と「気密」の観点から解説していきます。
住宅性能を見極める構造見学会とは?
皆様が良く行かれるようなモデルハウスや住宅展示場のような内覧会では住宅の性能を見ることはなかなかできません。なぜならこれらは全て壁紙やクロス、ボードなどが貼られている状態で全て仕上がった状態だからです。
性能を確認するには仕上がる前の中身、つまり「構造」を見ることが重要です。壁紙などが貼られる前に、どういった納まりをしているのかをしっかりと自分の目で見極めることが成功の第一歩です。
一般的な内覧会
構造見学会
構造見学会では施工良し悪しを確認できる
まずは構造見学会に出かけてみて
「この工務店さんはしっかりと施工しているのか」
「手を抜いた施工をしていないか」
といったことを見ていくことが必要です。
ただ構造見学会は皆様がご依頼する全ての工務店さんが行っているわけではありません。
タイミングや、工務店さんのスケジュール的に都合が悪かった等が理由で参加できないことがあります。
そういった際は「今建てている現場で断熱と気密層の施工が終わった段階(ここ重要です)で一度拝見させてください」と言ってみてください。
嫌がる様な工務店さん、ビルダーさんはあまりいないと思います。
是非この機会を利用して現場の方に訪問してみてください。
こんな施工している現場も...
UA値で断熱性能の確認
構造見学会に参加したなら次は「断熱性能」を確認しましょう。キッチンやトイレ、お風呂など、住宅のデザインには色味であったり、グレードであったり色々な仕様があります。
同じ様に住宅の「断熱性能」にも仕様があります。
実はこの「断熱性能」にはどのくらいの性能が必要かを定めた基準があります。
それに達していないと「エアコンが効かない」や「夏暑い、冬寒い」といったことになってしまうわけです。
断熱材がどのくらい入っていて、どのくらいの性能なのかを表す数値が「UA値」といいます。この数字がどんどん小さくなればなるほど、断熱性能は高いとされます。
またその「UA値」が各地域でどの程度の断熱性能かを表す「断熱等性能等級(断熱等級)」という基準もあります。こちらは等級が高いほど高性能です。(2025年以降は等級4以上が義務化されます)
例えば東京の断熱等級4はUA値が0.87です。
まずは最低限、住居を建てるUA値と予定の地域での断熱等級を確認してみてください。
気密測定でC値を確認
「断熱性能」と同じくらい大事な性能に「気密性能」があります。「断熱性能」がいくら高性能でも「気密性能」が悪いとその性能をフルに発揮できません。
気密性能は「C値」という数字で表すことができます。C値は低ければ低いほどスキマの少ない高性能な家と言えます。
その「C値」を測定するために『気密測定』を行うことをオススメします。
「C値」が高いと住宅のスキマがたくさん残っている恐れがあります。
スキマ風は結露を招いたり、エアコンの電気代を高くしたりするなど、住宅に色々な悪影響を及ぼします。
しかし気密性能は断熱性能と違い、工務店さんとの打ち合わせで最初に決めることができません。
気密性能は、一棟、一棟、現場で必ず測定しなければ、「C値」が出てきません。
そのため「良い悪い」の判断が実際に測定しないと正確にわからないため気密測定の必要性があります。
気密性能の高い住宅ではおおよそ「C値1.0㎠/㎥」以下になります。逆に低い住宅では「C値5.0㎠/㎥」などになってしまうこともあります。こうなるとスキマ風だらけの住宅となってしまうので要注意です。ですから必ず工務店さんに気密測定実施の依頼をするようにしてください。
まとめ。
さて今回は「家を建たい人必見!住宅づくりを成功に導く断熱・気密とは?」
というお題でしたがいかがだったでしょうか。まとめると、
家を建てる前にしてほしいこと
- 『構造見学会への参加』をする
- 『断熱性能の確認』をする
- 『気密測定の実施』をする
実は確認することはまだまだたくさんあるのですが、この3つは最低限行っていただきたいと思います。
工務店さんへのご相談の際は、この3つについて皆様の方からご提案してみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。