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新築時にされている「防蟻処理」って意味あるの?
新築時にされている「防蟻処理」って意味あるの?

皆さんは住宅を新築される際、防蟻対策をしなければならないことをご存じですか。防蟻対策は建築基準法で定められていて、地面から1メートルの高さまでの木材に何らかの防蟻対策をすることを求めています。日本でおこなわれている防蟻対策のほとんどは、農薬由来の合成殺虫剤を対象範囲の木材に処理するというもので、上棟が済んだあとにオレンジ色や緑色をしている土台や柱を見たことがあるという方もいるかもしれません。今回は、この合成殺虫剤を使った防蟻処理ってどのくらい意味があるのか考えてみたいと思います。

再処理が宿命の合成殺虫剤処理

まずは日本の防蟻処理でほとんどを占めている農薬由来の合成殺虫剤について見てみます。合成殺虫剤はメーカーごとにさまざまな名称で売られていますが、大きく分けてピレスロイド系、ネオニコチノイド系、フェニルピラゾール系の3つの系統に分けることができます。いずれもシロアリの神経系にダメージを与えて死に至らしめます。そして、もともと農薬由来であることから残留農薬の問題により、殺虫効果はせいぜい数年と短く、合成殺虫剤で防蟻処理した場合は、5年ごとに再処理することが前提になっています。再処理は合成殺虫剤の宿命ということになります。

再処理できないし、再処理したら健康リスクが!

新築時に露わになっていた柱や構造用面材も、再処理するときには壁には断熱材が充填されたうえに石膏ボードなどで塞がれてしまうため、柱や構造用面材に再処理することはできません。せいぜい再処理できるのは床下の土台や大引きなどの材料だけとなります。そして、住まい手が住みながら再処理することは、そもそも住む人の健康にリスクがあります。安全だとされる合成殺虫剤ですが、実際には防蟻処理により化学物質過敏症やシックハウス症候群を発症したと思われる例は少なくなく、医師の診断には至らないまでも原因不明な体調不良の一因となっていることが指摘されています。何より神経系に作用することから成長期の子どもの脳の発達に影響を与えている可能性が報告されており、原因が特定しにくいこうした問題が、未来の世代に悪影響を及ぼすことになりかねないのです。

出典:事故情報データバンクシステム(https://www.jikojoho.caa.go.jp/

結局無防備となる合成殺虫剤処理

床下など再処理できるところだけを再処理した場合でも一回当たり十数万円の費用が掛かり、例えば35年住み続けたとすると最低6回は再処理が必要となり、安く見積もった場合でも100万円ほど、場合によっては170万円ほども掛かる可能性があります。経済的な理由から再処理されないことも多く、新築して数年以降はシロアリに対して無防備なままとなる場合が少なくないのが現実です。実際のシロアリ被害率を見てみると24.6%(アットホーム調べ)、腐朽などを含めた木材劣化率では34%(国交省シロアリ被害実態調査)という結果が報告されており、無防備であることを物語っています。

防蟻対策は命に係わる問題

無防備であることを侮ってはいけないことは地震に遭ったときに思い知らされることになります。構造材がシロアリの被害に遭っていたら、初期の耐震性が損なわれていることは専門家でなくても想像できると思います。実際に阪神・淡路大震災の際におこなわれた調査で、シロアリや腐朽の被害に遭っていた木造住宅のほとんどが、築年数に限らず全壊しているという結果が報告されています。シロアリや腐朽による木材劣化が住む人の命に関わる重大事であることが証明されているのです。耐震性がどんなに高い家を建てたとしても、きちんとした防蟻対策がされていないのでは命が守れないのです。

まとめ:別の選択肢がすでにある

運よくシロアリ被害に遭わなかった、地震に遭わなかったという場合ももちろんありますが、皆さんはこれらの現実を知ったうえで、合成殺虫剤による防蟻対策にどれほど意味を感じられるでしょうか。そして、すでに日本でも合成殺虫剤に頼らない防蟻方法を選ぶことができます。それが、自然素材である「ホウ酸」を使った防蟻方法です。次回は、「ホウ酸処理」について解説したいと思います。

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